戦後の昭和の人びとを描く群像劇。
公開当初はCGをフル活用して、昭和の町並みを再現したことで話題となった。
CGは何もポリゴン(古いか?)をバリバリ使ったものではないことを
世に知らしめた作品。
東京へ集団就職でやってきた六子(堀北真希)。
彼女が就職するのは、とある自動車会社。
「でっけぇビルヂングの会社じゃねぇべか」
と期待を膨らませる六子。
しかも、東京駅へは社長(堤真一)直々に迎えにきてくれた。
「社長秘書だべか」
さらに期待を膨らませるが、
目の前にあるのはオンボロの車。
連れて来られたのは下町の自動車「整備」工場。
社長直々というのは、他に人がいないだけ。
社長一人のワンマン会社。
仕事がきつく、次々と社員が辞めていっているのだという。
絶望する六子。
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新たに小料理屋を始めた女性(小雪)。
自動車会社の社長を始め、町の人びとが通い詰める。
そこで持論を展開する、文学青年(吉岡秀隆)。
芥川賞の候補にもなったとうそぶく彼に、
女将がある頼みごとをする。
知り合いの女性がおいていった子どもをしばらくの間預かって欲しいというのだ。
酔いの勢いにまかせて、
そして、女将にいいところを見せたいという思いから
安請け合いしてしまうのだが、
朝、家で目が覚めると、事の重大さに気がつき、
子どもを追い返す。
しかし、子どもは行くところもなく、
結局二人で過ごすことに。
ほとんどしゃべる事のない子どもとの共同生活だったが、
ある日、その関係が変わる。
文学青年はかつて生活のために小説を書いた。
実は、子どもはその小説の大ファンだったのだ。
それをきっかけに子どもは心を開く、どころか尊敬のまなざしで
文学青年を見つめるようになる。
肩たたきなど種々の雑用を率先してこなし、
彼の書いた小説を目を輝かして読む。
その姿を見た女将は一言。
「あの子が笑うとこ、始めてみた」
ボクは原作を知らないが、様々な短編を一つにまとめあげたような映画。
大きな事件があるわけではない。
けれど、その短編の中にはバディムービーとしての要素であったり、
戦後の人たちの成り上がり物語であったり、
母をたずねて三千里であったり、
様々な物語が詰め込まれている。
だからといって消化不良というわけではない。
群像劇の良作。
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